【わかりやすく解説】調理師と栄養士の仕事の違いについて説明をします
食事や健康に関する職業を目指すとき、「栄養士」と「調理師」はそれぞれ候補に入ります。
栄養士と調理師は全く別の業種であるように見えて、仕事内容や必要スキルには共通する部分が多いです。
そのため栄養士や調理師を目指す際には、それぞれの特徴と違いを把握することがポイントになるでしょう。
こちらでは栄養士と調理師の違いについて、仕事や必要資格などの観点から解説します。
栄養士と調理師は同業者?
栄養士と調理師の職業は、「食に関わる」という点では一致しています。
そのため同じ職場で働いたり、関連企業として一緒に仕事をすることは非常に多いです。
一方で、栄養士と調理師の仕事内容や業務上の役割には、明確な違いがあります。
それぞれの役割をまっとうすることが、ひとつの仕事を完成させる結果につながるケースも多いです。
そのため栄養士と調理師は協力して仕事をする間柄であり、お互いの専門性を尊重して働くことが求められます。
栄養士になるには専門資格が必要
栄養士として働くためには、基本的に「栄養士」の資格が必要です。
資格取得は厚生労働大臣が指定する「栄養士養成施設」もしくは「管理栄養士養成施設」に進学して、2年以上専門的な内容を学習しなければなりません。
所定の修学を終えて卒業したあと、各都道府県の知事から免許を交付してもらうことで栄養士として働けます。
また、栄養士として一定の期間実務経験を積むと、「管理栄養士」の資格試験に挑戦できます。
管理栄養士は「国家資格」となるため、取得できれば栄養士よりも高くて深い知識を持つことが証明できます。
昇進、就職、転職などにおいて有利に働くため、将来性を考慮するのなら栄養士の資格取得後は管理栄養士を目指すのがおすすめです。
一方で、労働形態次第では調理師に必須とされる資格はありません。
仮に無資格であっても、スキルがあれば食事の調理を担当することは可能です。
しかし、一般的に調理師を目指す際には、就職の幅を広げるためにも「調理師免許」の資格取得が勧められます。
また、調理師免許がなければ調理師を名乗ることはできないため、どれだけ豊富な経験や知識があっても実績としてカウントされないのです。
そのほか調理免許を取得するメリットについては『【国家資格】調理師免許を紹介!取って損はありません!』のブログも合わせてご覧ください。
将来のことを考慮するのなら、自身の実績となる調理師免許の資格は必要なものだと考えましょう。
調理師免許は、調理師学校で必要単位を取得して卒業すれば交付されます。
神戸国際調理製菓専門学校の調理師科と調理スペシャリスト本科では卒業と同時に調理師免許を取得することができます
栄養士の仕事とは
栄養士という職業は、食事の栄養に関する仕事全般を担当します。
以下からは、栄養士の具体的な仕事内容を解説します。
栄養指導および管理などが仕事
栄養士の仕事は、栄養指導および管理です。
食材や調理後の栄養を把握した上で献立メニューを考案したり、必要な栄養を計算して適切な食事を提示したりといったことが仕事になります。
健康的な食事のためのアドバイザーのような役割も担い、栄養に関する専門知識を用いて人々の生活をサポートします。
栄養士はその特性上、企業の新商品開発の仕事や、子どもたちの栄養管理の仕事をすることが多いです。
新しい食品を開発する際に、栄養面で問題がないか、どのようなメリットがあるのかを監修する仕事を担当できます。
そのほか、保育園や学校に勤務して、子どもたちに必要な栄養を考慮した献立の作成なども仕事になるでしょう。
管理栄養士になると、健康的な生活を過ごせている人だけでなく、病気などで健康を害している患者さんの療養を目的とした栄養指導・管理を行うこともあります。
より専門性の高い職場で働けることからやりがいを感じられるほか、年収などの待遇面も栄養士より良い傾向にあるのが特徴です。
調理師の仕事とは
調理師に関しては、基本的に食事をその手で作ることが仕事になります。
以下を参考に、調理師の具体的な仕事内容をチェックしてみましょう。
実際に調理をするのが仕事
『知っているようで知らない調理師のこと│起源や仕事内容を紹介』のブログでもお伝えをした通り、調理師の主な仕事は、食材を活かして美味しい料理を作ったり、衛生面を意識して安全な食事環境を提供したりすることです。
食材の特徴や魅力をひとつひとつ把握した上で、組み合わせや見た目の盛り付けなども含めて高品質な料理を作るのが役割になります。
基本的に注文された料理を調理するのが調理師の仕事ですが、就職先によっては自分でオリジナルメニューを生み出すこともあります。
ほかにはない新しい味や最新のトレンドを活かしたメニューを考案して、店舗の売上や知名度アップに貢献するのも仕事です。
就職先はレストランや料亭といった食事の場はもちろん、学校や病院で出す給食の担当者も範囲内になります。
職場次第では、栄養士や管理栄養士の考えた献立をもとにして料理をすることもあるでしょう。
そのため調理師の仕事には栄養に関する知識がそれほど必要ないと思われがちですが、活躍の場を広げるためには栄養士ほどではなくても、専門性の高い知識は求められます。
就職先によっては自分で栄養面を考慮した料理を考える必要もあるため、栄養学の基礎はきちんと把握しておきましょう。
栄養士と調理師は「リモートワークに対応できるか」という点でも違いがある
栄養士と調理師は、現代の新しい働き方である「リモートワーク」に対応できるかどうかでも違いがあります。
基本的に栄養士は、会社に出社しないリモートワークでも仕事が可能です。
Web会議やチャットツールを使って栄養に関する知識を提供したり、アイデアを提案したりといった仕事の方法が考えられます。
スムーズなコミュニケーションが取れれば、栄養士はリモート環境でも十分に活躍していけるでしょう。
調理師に関しては、リモートワークによる働き方ができません。
その場で調理して料理を提供するのが基本であるため、調理師と食事を求める人が同じ場所にいなければ仕事は成立しないのです。
一方で、リモート環境で調理方法を公開したり、料理教室のようなイベントを開いたりといった新しい働き方は考えられます。
また、デリバリーの需要が高まっている昨今では、配達用の料理を作る仕事も見方次第ではリモートワークの一種になるでしょう。
働き方によっては、栄養士も調理師もこれからの働き方であるリモートワークに対応できる可能性を秘めています。
まとめ
栄養士と調理師は同じ領域で働くことがあっても、その仕事内容や求められることは大きく異なります。
この機会に栄養士と調理師の仕事の違いをチェックして、将来の進路を決める参考にしてみてください。