パティシエの仕事に就くためには、いったいどんな資格が必要なのでしょうか。取っておくと有利な資格から、パティシエとして仕事の幅が広がる関連資格までご紹介していきます。

【パティシエってどんな仕事？】

一言に「パティシエ」といっても、仕事となると実に様々な種類があることをご存知ですか？扱うお菓子の種類やお店の業態によって仕事内容も大きく違ってきます。

（１）洋菓子店（パティスリー）で働く

スイーツ（洋菓子）の専門店であるパティスリーで働くパティシエです。
作るだけでなく、接客や販売も仕事内容に含まれます。

（２）レストランで働く

コース料理などがあるレストランで、料理の最後の出されるデザート（アシェットデゼール）を作るパティシエです。
見て、食べて楽しめるレストランのデザートパティシエは、彩りの感覚やセンスも必要な仕事です。

（３）結婚式場などで働く

大きな結婚式場や披露宴会場などで、ウェディングケーキやパーティ用のデザートを作るパティシエです。
新郎新婦の要望や予算、人数を聞きながらケーキをデザインしていく仕事です。

（４）工場で働くパティシエ

大手洋菓子メーカーなどは店頭ではなく自社工場を持っていることが多く、その工場でパティシエが勤務することもあります。

【パティシエになるために必要な資格は？】

実は、パティシエになるために必ず取らなければならない資格は現在特にありません。
しかし、実際に洋菓子店やレストランなどで働く際や、転職・独立といったキャリアアップの際に持っておくと有利になる資格がいくつかあります。

（１）製菓衛生師

製菓衛生師は、都道府県知事が認定する国家資格です。
「お客さんが安心して食べられるお菓子を作ることができます」という、パティシエとしての知識や技術が身についている証になります。
現場で２年以上働いた人か、都道府県が定めた製菓専門学校などの各種養成施設で１年以上学べば受験することができます。
試験は筆記試験のみですが、お菓子の知識だけでなく、食品の安全性・添加物等の知識が必要になります。
調理師などと同じ名称独占資格なので、この資格をもっている場合のみ製菓衛生師を名乗ることができます。
また、この資格を持っていれば自分のお店を開業するときに必要な「食品衛生責任者」という資格を申請のみで取得することができます。将来自分でお店を開きたいと考えている人は取得しておきたい資格と言えます。

（２）菓子製造技能士

こちらも都道府県が認定する国家資格のひとつです。
試験は和菓子と洋菓子に分かれていて、１級と２級があります。
1級は7年の実務経験、２級は２年の実務経験が必要ですが、都道府県が認定している養成施設などで学んだ場合実務経験とみなされるので、2級の取得に関しては各種学校に通うのが近道となります。
試験の内容は、食品やお菓子などに関する一般的な知識や食品衛生・製造に関する筆記試験と、実際にデコレーションケーキを仕上げたり、練り切りを作る実技試験に分けられます。
製菓衛生士よりも、お菓子作りに関する技術に重点を置いている試験になります。

（３）食品衛生責任者

食品衛生責任者はパティシエとして独立したり、お店を開業する時に必要な資格です。
食品を扱う営業を行う場合、営業許可を受けた店舗ごとに1名以上取得した人を置く決まりになっています。
お店で食中毒や食品衛生法違反が起きないように、食品衛生上の管理・運営を行うのが「食品衛生責任者」なのです。
東京都内の場合、一般社団法人東京都食品衛生協会が実施している講習会を受けることで受講終了証が発行されます。
「製菓衛生師」の資格を持っていた場合は申請のみで取得することができます。

※よく似ている「食品衛生管理者」は乳製品、食品添加物、食肉製品、食用油脂等、特定の食品を製造等する施設が対象となるので間違えないように気を付けましょう。

【パティシエを目指したい、どうしたら？】

パティシエになるためには製菓専門学校などで技術を磨いて就職する方法が一般的です。
レストランや専門店などでは未経験でも採用しているところもありますが、アルバイトや契約社員の場合が多く、働きながら実践で仕事を覚えていく形になります。

独立や開業など、今後のスキルアップを考えた場合、お菓子作りの基礎的から学内コンテストなど幅広くて実践的な授業が多い専門学校などがおすすめです。

資格取得に関しても、実際に働きながら資格取得を目指す人もいますが、いずれの試験も製菓専門学校へ進学した場合、卒業までに受験資格が得られたりカリキュラムに組み込まれている場合が多いので、これからパティシエの道に進みたいと考えている人にもおすすめです。

製菓の専門学校では、体験入学やオープンキャンパスで実際にケーキや焼き菓子を作る授業を無料で体験することができるので、将来パティシエに興味がある人は行ってみてはいかがでしょうか？