資格は必要?パティシエが個人経営のカフェを開くときに必要な準備とは?
お洒落なカフェは外から眺めているだけでも幸せな気持ちになりますよね。
「スターバックス」や「ドトールコーヒーショップ」のようなチェーン店じゃなくても、個人経営のカフェも街でよく見かけます。
それぞれ店のこだわりがあり「インスタ映え」を狙ったメニューや豆にこだわった店など個性が活かされます。
「こんな素敵なカフェをいつか自分も開きたい」そう思った時に慌てないよう、今回はカフェの準備に必要なことを紹介いたします。
まずはお金を準備しよう
カフェを開くときの資金は必ず必要です。
工事賃や運転資金3ヶ月分は必要となります。
だいたい500万円から1500万円とその条件により変わりますが、あるに越したことはありません。
自分で貯金したものを資金に回すことが理想ですが、無理であれば親族の方から借りることも考えましょう。
日本政策金融公庫「新創業融資」や政策金融公庫の「新創業融資」を活用すれば資金を借りることもできますが、その場合借り入れ額の3割ぐらいは自己負担であることが望ましいです。
コンセプトと店舗探しを準備
まずは「どのようなカフェ」にするのか「コンセプト」を決めます。
ここがしっかりしていないとその場その場で決断することになり、芯のないブレブレなカフェになってしまいます。
「学生にも気軽に来てほしい」のか「豆の味がわかる常連さんに集ってほしい」のかで全く違う店作りになってしまいます。
しかし「突然コンセプトと言われてもよくわからない」という人はまずは「なぜ自分はカフェを始めたいのか」を考えてみるのがいいかもしれません。
コンセプトを決めるためには自らがお客となり様々なカフェを訪れるのもオススメです。
全部真似してしまうのはまずいですが、「この店の内装のココいいな」「この器いいな」など自分の感性に触れたものを自分のカフェに活かしましょう。
他店を訪れることできっと様々なアイディアも生まれるでしょう。
コンセプトが決まれば店舗さがしです。
カフェを開く場合に街の雰囲気が良くて、店の雰囲気も良くて、家賃も払える良い物件はなかなか見つかりません。
さらに空き店舗なのか居抜き店舗なのかで資金が変わってきます。
居抜き店舗とは前の店舗の内装がそのまま残されている状態なので店舗の設備にかける費用を抑えられます。
店舗は周りの状況と家賃と広さなど様々な条件が出てくるでしょうから、ここは時間をかけて行いましょう。
何ヶ月かかっても思う様な物件を見つけられない場合がほとんどで、理想の物件に出会えるかどうかは運次第と言えます。
思いつきで判断せず数カ月かかけていろんな場所を見てから決めていくことをオススメします。
なぜならカフェはお客さまがいて初めて経営ができるからです。
つまり、 人が全然いないところにカフェをオープンしても意味がありません。
店舗が決まれば、外装・内装の工事に入ります。
飲食業の店舗工事を行ったことがある業者を選ぶべきです。
内装に必要なもの、例えば、ガスコンロ や調理用の作業台、食器棚、冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、オーブン、電子レンジ、コーヒー器具など調理に必要なもの、テーブル、椅子、ソファなど飲食に必要なもの、そしてレジスターです。
食器や食材なども何を選ぶか少しずつ決めていかなくてはいけません。
アルバイトを雇うなら求人募集も必要です。
準備する資格や許可申請について
実際にカフェを開くためにやらなけらばならないのが書類の手続きです。これをしなければ違法になりますのでしっかりと確認しましょう。
以下で紹介したもの以外にもありますので注意してください。
食品衛生責任者資格
1店舗に一人は食品衛生責任者の資格が必要になります。
講習を受けて資格を取得しますが、パティシエとして必要な資格の一つである「製菓衛生師」の資格を持っていれば、食品衛生管理者の講習会は免除されます。
飲食店営業許可
保健所から「飲食店営業許可」を受けることも必要になります。
この許可を得るには食品衛生責任者、調理士、栄養士、製菓衛生士のいずれかの資格が必要となりますので、食品衛生責任者の資格と同じくパティシエとして必要な資格の一つである「製菓衛生師」の資格を持っていれば大丈夫です
しかし、都道府県知事が定めた施設基準に合致した店を作ることが必要です。
はじめに「営業許可申請書」を保健所でもらい、必要事項を記入し「営業設備の配置図・大要」や「食品衛生責任者資格証明書」、「水質検査成績証明書のコピー」などを準備します。
全ての書類を提出すると保健所から担当者がやって来て飲食店として営業できるかどうかをチェックします。
床の素材や流し台の数などがチェック項目のなかにありますので、基準を満たしているかどうか確認しましょう。
不合格ならば営業することができません。
こうならないためにもこまめに保険所などに相談に行くべきでしょう。
税務署への開業届
税務署への開業届けは提出しなくても罰則があるわけではありませんが、営業する中で必ず訪れる確定申告等を行う際には必ず提出しなければなりません。
開業届けは税務署のホームページからダウンロードすることができます。
営業許可申請書の様に別で用意しなければならない書類は必要ありません。
提出する書類の準備
1つ目は個人事業主の開業届出書です。
個人事業主として、公的に認められるための届け出となりますので店舗経営を新しく始めたい人は全員提出する必要があります。
2つ目は 所得税の青色申告承認申請書です。
節税のために確定申告で青色申告を行うための届け出です。ですから白色申告にする人は提出の必要がありません。どちらにするか考えておきましょう。
3つ目は給与支払い事務所の開設届です。
人を雇用する場合に、提出が必要です。
まずは一人で経営するつもりだという人は提出は不要です。
開店前の準備
どうやってお客さんを獲得するかという作戦も考えておきましょう。
今はチラシを配布するという宣伝方法より、SNSを使っての宣伝方法が流行りです。
自分の店をどうアピールするかもコンセプトを軸に決めていきましょう。
写真の撮り方や、SNSの活用の仕方も勉強しておくのもいいですね。
投稿一つでも誰かの目に強く印象に残ることが大切です。
口コミの力はすごいので勢いにのれば、自分がアクションを起こさなくても自動的に拡がっていきます。
神戸国際調理製菓専門学校の卒業生であれば、もちろん宣伝協力致しますよ
パティシエがカフェ開業に有利なポイント
もし、あなたがパティシエならカフェを開業する際には有利なポイントはたくさんあります。
開業に必要な資格や許可申請が免除になる
上記に記載した通り、パティシエとして必要な資格の一つである「製菓衛生師」の資格を持っていれば、飲食店営業許可と食品衛生責任者の取得のための講習会が免除されます。
よって面倒な手続きが減り、時間も有効に活用することができます。
なぜ免除されるかというとおそらく、食に関わる衛生的知識に関して身に付けていると証明できているためだと思われます。
『【パティシエになるために】専門学校入学をオススメするたった一つの理由』でもお伝えしましたが、製菓衛生師の資格はパティシエの専門学校であれば取得可能です。
最短1年で受験資格が取得できますので、パティシエの専門学校への入学も考えてみてはいかがでしょうか?
店舗設計がよくわかっている
例えば、ガスコンロ や調理用の作業台、食器棚、冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、オーブン、電子レンジ、コーヒー器具などの調理に必要なものだけでなくテーブル、椅子、ソファなど飲食に必要なものまで、内装に必要なものを揃える時にももともと洋菓子屋で働いていた経験を生かすことができます。
また、お客様に料理を提供するまでの導線の設計など、オペレーションに関しても精通していることでしょう。
特に厨房内の実習台の高さや食器洗浄機の位置など、働いていた者にしかわからない使いやすさには経験が生かせると思います
また食品業者とのつながりもありますので、開店後の不安も少なくて済みます
ケーキが作れる
街のいたるところにカフェがあり、大手カフェチェーンも続々と店舗数を増やしております
その中には「コーヒーを飲みたい」「休憩したい」というお客様が求めるニーズの枠を超えたそれぞれのお店の個性を出す必要が出てきました。
もはやカフェ業界は飽和状態にあると言っても過言ではありません。
競争が激しいカフェ業界で生き残るためにもドリンク以外のフードに視点を合したときに、パティシエとして積み重ねてきた技術が発揮されるでしょう。
つまり大手カフェチェーンで提供できないような味、見た目、食材への追及で差別化は図ることができます。
そのカフェ業界の荒波を乗り越えるためにも、プロになる前の第一歩として神戸国際調理製菓専門学校ではカフェ実習というものがあります。
製造から販売まで全てを学生主体で運営していく実践型の実習です
製造では来店客数を見越した数を準備し季節に合わしたケーキを提供することでお客様を飽きさせない工夫をしています。
まとめ
パティシエが個人経営のカフェを開くときに必要な準備のご紹介をしていきましたが、いかがだったでしょうか?
開店するにあたって資格は最低限必要ですが、パティシエであれば有利に進めれるポイントもいくつかありました。
しかし、この記事でご紹介したこと以外でも必要なことはたくさんあります。
例えば、夢の実現のために頑張る身を投げ出す勇気です。
何でもそうですが、はじめからうまくいくことはありえません。
試行錯誤を繰り返しながら自分の店をオープンして周囲から愛される存在となっていくものです。
神戸国際調理製菓専門学校のカフェ営業も今年で18年を迎えますが、はじめは今の半分のお客様も来ていませんでした。
夢に向かって頑張っていきましょう。