【解説】パティシエの専門学校に通った人と通わなかった人は何が違うのか?
パティシエになるために行く専門学校は製菓専門学校です。
1年から2年通うことでパティシエに必要な知識や技術を習得することができます。
製菓専門学校ではパン職人や和菓子職人への道も準備されていて、総合的な学びが待っています。
加えて、専門学校で必要な単位を取得すると製菓のプロである証明になる「製菓衛生師」の国家試験にチャレンジする資格を得ることができます。
つまり、製菓専門学校に行くということは製菓について広い視野を持てるということです。
一方で「製菓衛生師」の国家試験にチャレンジできる資格は専門学校に行かなくても、洋菓子屋さんなどで実務経験を2年得ることで取得することもできます。
実務経験が2年間あればある程度の技術や知識も十分得れるでしょう。
詳しくは『資格について』のページでも解説をしておりますのでぜひご覧ください。
では一体、パティシエの専門学校に行く意味はない!と感じる方も少なくないでしょう
そんな思いを払拭すべく、この記事ではパティシエの専門学校に通う意味をお伝えします。
特にパティシエの専門学校に通わずパティシエを目指している方にぜひ読んでほしいです。
〇パティシエの専門学校に通う意味とは
では、パティシエの専門学校に通う意味とは何でしょうか?
まず結論から申し上げますと、パティシエは趣味としての洋菓子づくりではなく、生業としての洋菓子づくりが求められるからです。
生業ということは、お客様からお金をいただくわけですが、それは見た目の美しさやおいしさ以上に大切なことがあります
それは「衛生」です
商売として洋菓子を作る場合、徹底した衛生管理は必要不可欠となっていますよね
製菓専門学校ではパティシエの基礎技術の習得の前に座学や実習時間を使いこの「衛生概念」を繰り返し学んでいきます。
特に座学では製菓衛生師の資格を取る際にも必要な「食品学」「食品衛生学」などを通じて、知識を身に付けていきます。
美味しい洋菓子を作る際、衛生面にも細かく気を使うということは、ここ十数年でかなり厳しくなりました。
パティシエの世界の価値観も親世代の時とは大きく違うのです。
パティシエの専門学校にしっかりと通って、衛生概念を身に付けてほしいと思います。
○パティシエの専門学校には通わない人の3つの苦労
パティシエになるために必要な資格はありません。
未経験でもパティシエとして雇ってもらえますし働くことはできます。
しかし専門学校に行かないでパティシエとして働く場合、苦労が増える面があります。
①就職の時
専門学校卒業生は専門学校からの紹介を受け、パティシエとして就職する人が多いですが、通わない人は自力で探す必要があります。
大きなホテルなどでは「製菓専門学校を卒業していること」を求人募集の条件としているところも近年増えているようです。
小さな洋菓子店ではまだそこまで求めてないことも多いですが、自力で探すのはとても苦労します。
専門学校で学ばないまま就職した洋菓子店はその人の洋菓子作りの基本となってしまいます。
当たり外れがあるのも仕方ありません。
さらに、働き始めるとプロの世界を目の前にして自分の素人加減を知ることも多いですが、洋菓子店でいちから丁寧に教えてくれることは基本的にありません。
仕事をしながらそれこそ「技を盗む」ようにパティシエとしてのいろはを習得していくのです。
初めての就職では仕事としての業務を覚えてこなしていくだけでも一苦労です。
勤めるお店によってはいつまでも洋菓子作りの仕事を任せてもらえず、接客や片付けなどに他の業務ばかりをさせられることもあります。
そんな中でパティシエとしての技術を自分で習得していくのは大変です。
一方でパティシエの専門学校は、業界との強いパートナーシップを持っていますので、個人の要望に合した就職先を斡旋することができることから、就職後のギャップをなくします。
また学校内での実習やインターンシップの機会を通じて、有名なレストランやホテル、製菓企業などで実際の現場経験を積むことができるだけではなく、卒業後にも転職支援やアドバイスも受けられる特典があります。
②自分のお店を持ちたい時
もし自分の店をいつか持ちたいと思っているならまずは製菓衛生師の資格を習得する必要があります。
実務経験を2年積めば専門学校に通わずとも試験にチャレンジすることはできます。
ところが、独学で製菓衛生師の資格のために勉強しなくてはなりません。
慣れない業務、洋菓子店のハードな仕事、覚えることは山ほどあるのに疲れている中で勉強をするのは厳しいです
資格のために夜間の専門学校に通う人もいますが、体力面で続けられず、途中で辞めてしまう人もいます。
このように製菓専門学校に通わずパティシエとして働くのは技術の面でも知識の面でもかなり大変です。
もしも、専門学校に通うお金や時間がどうしても取れない場合は『パティシエになるためにはパティシエの専門学校に行かないといけないのか?【学費編】』のブログも合わせてチェックしてみてくださいね。
誰かに相談をしたい時
パティシエの専門学校では共に同じ夢を持つ同志たちと出会うことでできます
それは自分自身のモチベーションを高く保つ上では必要不可欠であるともいえます。
そしてパティシエとして順調に道を歩んでいっていてもいつかはどこかでつまずくこともあるかもしれません。
その時に専門学校で出会った友達や先生に気軽に相談や質問ができる関係が構築できることは専門学校に入学する意味の一つだといえるでしょう。
〇基礎ができていないパティシエはパティシエではありません
例えばいちごのショートケーキならば、スポンジを焼く作業、いちごの飾り付けをする作業など、一つ一つの異なる作業工程があるでしょう。
これら全ての工程を一人でしていては時間がかかります。
なのでお店では一人一人が協力して違う工程を任されているものです。
なぜなら実際にお店でケーキを売るときは一日で何十台と完成させなければならず、一人で全ての工程をやっていてはたくさんのケーキを販売することができません。
ケーキの製造量は売り上げもにも直結するため分担作業は必須です。
製菓長であるパティシエが一人で全ての工程をしているところはほとんどありません。
そこで必要なのが、製菓長のサポート役の単純作業ができるパティシエです。
その時に大切なのが「基礎技術」です。
具体的にはスポンジをスライスする作業や、果物をカットする作業、クリームを塗る作業などです。
製菓長は主に重要事項の決定やケーキの試作など経営感覚を持った人物であり、パティシエなら誰でもできる作業なら他の従業員に任すでしょう。
もしケーキの製造に必要な全ての作業を製菓長のみで行う事になれば、その膨大な仕事量によって負担は計り知れないものになるでしょう。
なので、パティシエ専門学校を卒業後、就職して初めは誰でも単純作業の毎日です。
しかし、一流のパティシエになるためのステップアップと考えると、単純作業もできないようでは何もすることはできません。
色々は仕事を任せてもらうためにも単純作業である基礎技術は学生時代に習得しておかなければなりません。
〇パティシエを育てる本校独自のカリキュラム
神戸国際調理製菓専門学校では即戦力として育てるカリキュラムを組んでいます。
今回はその一部を紹介いたします。
レベルアップレッスン
レベルアップレッスンとは「授業外の授業」のこと。
放課後や土曜日に希望者を募って開催されます。
自分のレベルにあった実習を受講し苦手分野を克服するためにも積極的に受講しましょう。
また少人数制で行われるので質問しやすい環境なのも魅力的です。
人によっては同じ作業を繰り返してやる方が好きな方もいるのではないでしょうか。
当然製菓長の立場から考えると専門学校を卒業した人物ならば、基礎技術を習得しているので、サポートはもちろんのこと、ある程度の仕事なら任せられるでしょう。
Eラーニング
Eラーニングとは動画を使った学習環境システムです
学生一人一人にIDとパスワードが配布され、ログインすると学校から配信される動画を見ることができ、いつでもどこても勉強できるようにしています。
例えば行きの電車の中やお風呂の時間を有効活用することができます。
これを使って授業の予習復習することができ、正しい知識と技術の習得を確実にものにすることができます。
1年間で170種類以上のレシピにふれる
神戸国際調理製菓専門学校では1年間で製菓全般を学ぶことができる「製菓衛生師科」があります。
実習時間は年間480時間と少なめですが、レシピ数は170種類以上を学びます。
これはあなたが知っている洋菓子屋さんに並んでいるケーキのメニューをすべて勉強できるといっても過言ではありません。
実習のステップもはじめは道具の使い方から始まり、基礎技術を繰り返し学び、卒業するときには一皿として完成させれるだけの技術を身に着けます。
本校の製菓衛生師科を卒業すると、製菓衛生師の国家資格の受験資格を得ることもできます。
卒業後に受験をすることになりますが、在学中にしっかりと対応もします。
自分の将来のビジョンから逆算して学科を選ぶということを『製菓専門学校で学ぶのは何年間が最適か』の記事でお伝えをしましたが、他校と比較をしている場合も含めて、レシピ数とかでも比べてみてはいかがでしょうか?