パティシエの国家資格「製菓衛生師」って何?受験資格や取得のメリットをご紹介
お菓子作りやパン作りのプロであることを証明するパティシエの国家資格が「製菓衛生師」です。
そんな製菓衛生師の資格を取得したいと考えている人も多いはずです。
国家資格と聞くと取得するのがすごく難しいイメージがありますが、実際取得するためにはどのような手続きが必要なのでしょうか?
今回は製菓衛生師について詳しくご紹介していきます。
■パティシエの国家資格「製菓衛生師」とは
「製菓衛生師」は、洋菓子や和菓子などのジャンル関係なく、製菓の知識や技術を習得している人が持つ国家資格です。
またその資格を持つ人のことを指す言葉でパティシエや和菓子職人、パン職人、フードコーディネーターとして働く人たちの多くが製菓衛生師の資格を取得しています。
でも実際にはパティシエであっても製菓衛生師の資格をもっていない人もいます。
つまり「製菓衛生師」の資格は国家資格ではありますが、製菓業界で働くのに必ず必要な資格ではありません。
必須の資格ではありませんが、製菓衛生師の資格を取得しているとしっかり技術を習得したという証明になりますので就職活動などでも有利になりますし、任せてもらえる仕事の幅も広がります。
よりよい環境で働きたい、上を目指したいという方にとってはぜひ取得をオススメしたい資格です。
■製菓衛生師の試験の受験資格は
国家資格である「製菓衛生師」の試験を受けることができるのは、製菓業界で2年以上、実務経験がある人または製菓衛生師養成施設で、1年以上学習をした人になります。
最短で受験資格を取得したいのであれば、神戸国際調理製菓専門学校のような製菓衛生師養成施設を卒業する必要があります。
一方で専門学校に通わなくても、働きながら製菓衛生師の資格取得を目指すことができます。
しかし受験の際、製菓業界の製造業務を上記の条件を満たして就業していたという証明書を就業場所の代表者に発行してもらう必要があるのでその点だけ注意しましょう。
■試験の内容とは
製菓衛生師の試験は、全部で7つ「衛生法規・公衆衛生学・栄養学・食品学・食品衛生学・製菓理論・製菓実技」から出題されます。
合格の基準は、全ての科目で6割以上取る事、かつ0点の科目がないこととなっています。
試験の合格率は70~80%となっていて、しっかり勉強していれば着実に合格を目指せる資格となっています。
逆に言えば、20~30%の人は合格できなかったという事でもあります。
油断せずにしっかり対策することが合格のカギとなりそうです。
詳しくは『【解説】パティシエの資格「製菓衛生師」の試験内容や難易度について』の記事でも解説をしておりますので是非ご覧ください。
■製菓衛生師に合格するためには
受験資格については、条件はありますが働きながら資格取得を目指せるという事が分かりました。
それでは、肝心の試験勉強はどうしたら良いのでしょうか?
専門学校生はある程度時間があるので、フランス語を勉強したり、お菓子作りに挑戦したりと実践的に学ぶことができるのですが、独学で学ぶ場合は、仕事の合間を縫ってテキストなどを使いながら学習を進めていく形になります。
通信講座などを利用するのも方法の一つですが『製菓専門学校が教える!通信課程のメリット・デメリット』でもお伝えした通り、働きながら自分のペースでコツコツ勉強していくことになるので、仕事で疲れていたりモチベーションが停滞してしまった場合の対策を考えておかなくてはいけません。
働きながら独学で取得を目指すことも十分可能な「製菓衛生師」ですが、実務経験がまだない方や隙間時間で試験対策をするのが難しいという方は専門学校への再進学を検討するのも手です。
学費や時間はもちろんかかりますが、1年間、製菓衛生師に必要な知識や技術をしっかりと指導してもらいながら、試験対策も手厚くサポートしてくれます。
一定の条件を満たせば、受講費用の一部をハローワーク(公共職業安定所)から支給される「教育訓練給付金」制度を利用することも出来ます。
■製菓衛生師を取得すると他にもこんなメリットが…
①「食品衛生責任者」の資格を無試験で取得できる
将来自分でお店を開業したいと考えている場合、必ず必要になるのが「食品衛生責任者」の資格です。
製菓衛生師の資格を持っていれば、申請するだけで資格を取得することが出来ます。
② 海外ビザの取得が有利になる
国家資格かつ専門職である「製菓衛生師」の資格を持っていると、海外で働く際のビザ申請が普通よりも通りやすくなると言われています。
将来的に海外での活動も視野に入れている人にとっては大きなメリットかもしれません。
まとめ
製菓衛生師についてご紹介しました。
条件はありますが、働きながらでも資格取得を目指せる資格であることが分かりました。
時間の使い方を工夫しながら、独学や通信講座を上手く利用する方法もありますが、働きながらの取得に不安がある場合は、やはり専門学校へ通うのがオススメです。
自分のライフスタイルに合わせて最適な方法を見つけ、製菓衛生師の資格取得を目指しましょう。