インタビュー(製菓)
野中 貴大先生 インタビュー
現場で役立つ一生モノの技術を身につけられるのがÉcole CPの魅力。学生全員が高い技術を修得するためには丁寧な指導が欠かせません。学生一人ひとりとどのように接し、指導しているのか、製菓担当の野中先生にお聞きしました。
野中 貴大
◉ 第44回西日本洋菓子コンテストBクラス 最優秀賞◉ 第54回クリスマスケーキコンテストAクラス 優秀賞
◉ 第25回全国菓子博覧会兵庫工芸 優秀賞
自ら働きかけ、一人ひとりの特性を知る。
── 学生とのかかわりにおいて、心がけていることは何でしょうか?
まずは一人ひとりのことをよく知るように心がけています。そして学生それぞれの特性に合わせてどのような距離で接し、教えるのが彼らにとって的確なのかを考えます。全員に興味をもち、授業内外で柔らかい雰囲気で話しかけるようにしています。
── 先生からかなり働きかけているんですね。
早く関係を築いてスムーズなコミュニケーションがとれるように、できることはしたいと考えているんですよ。顔と名前を覚えるために、登校時にエントランスであいさつの声かけもしています。こうした働きかけを続けていると、学生もこちらに早く慣れてくれていろいろな会話ができるようになります。さらに時間がたつと、授業外にも学びや普段の生活についての相談をしてくれるようになってうれしいですね。
充実した学びには、信頼関係が不可欠。
── 指導において、一人ひとりと向き合うことの意義は何でしょうか?
学生との間に信頼関係を築けます。そして信頼関係があると、学生はわたしたち教員の話をしっかり吸収し、また、疑問や不安を相談してくれるため、より知識や技術を得ることができます。特に全員レベルが違うと言ってもいい技術面において、卒業時に全員が課題クリアをめざして技術を高めるには、一人ひとりへのフォローアップが一番効果的です。専門職養成校の教員としても、私自身一人の料理人としても、学生が技術力をつけるだけでなくその先の調理・製菓の楽しさを知るところまできちんと指導していきたいと考えています。
── 具体的にどのような取り組みがありますか?
École CPにはもともと学生一人ひとりを指導できる体制が整えられています。例えば私も担当している、放課後や土曜日などの課外に行う「レベルアップレッスン」。レベルごとの少人数制なので学生に目を配りやすいですし、彼らそれぞれが苦手としていたり本当に必要としていたりすることを指導できます。自由参加ではありますが、確実に成長できるため、よりステップアップをめざす学生がいつも多く参加しているんですよ。
学生の成長が何よりのやりがい。
卒業後も続く絆がある。
── そうした取り組みの中で、先生はどのように指導に関わっていますか?
答えまですべて教えてしまうのではなく、ヒントを与えるようにしています。いつも同じようにおいしくケーキをつくるためには混ぜる時の感触をおぼえたり、焼ける時の音を聞いたりするよう指示し、フルーツのカット技術では、立ち方や姿勢を変えるなどのアドバイスをしています。学生が自己流でしていることを少し変えるだけで、ちがってくるものなんですよ。
── そのように細やかな指導をする中で、印象に残っていることはありますか?
学生の成長を感じるのがいつも一番の喜びです。入学当初は不器用だった学生ができない悔しさをバネに練習を積み重ね苦手を克服した時や、卒業生の活躍を耳にした時がうれしく、印象に残っていますね。
── 卒業生とのつながりもあるそうですね。
はい。卒業してからも就職先で壁にぶつかったり悩んだりした時に相談に来てくれます。信頼してくれていることを実感できる瞬間です。また、結婚したり子どもが生まれたりすると、新しい家族を紹介しに来てくれることもあるんですよ。それもまた、教員をしていてよかったと感じることのひとつです。
謙虚な心が成長の源。
多くを吸収できる人材に。
── 今後、学生にはどのように成長してもらいたいですか?
技術を身につけるのは、とても時間がかかることです。思うようにできず、不安になることもあるかもしれません。けれども、ずっとできないままということも決してありません。大切なのは、謙虚な心。注意されたことを直そうと練習を続けていれば必ず成長できます。これはどんな仕事に就いても同じこと。常に「自分はまだまだ」という気持ちをもって、いろいろなことを吸収できる人であってほしいと思います。